僕とメヒコとルチャ・リブレ
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2005年の5月。僕はメキシコに居た。現地の人々はメヒコと呼ぶこの国で、プロレスラーになるための養成学校に入学した。
初めての異国、日々のトレーニング、そして初めての他人との共同生活。僕は日に日に、ココを抜け出す理由ばかりを探していた。そして毎晩、日本に帰ってくる夢ばかり見るようになった。
それが正夢になったのは、入学して僅か3か月ほど経った日の、寒い早朝。
それを正夢にしたのは、自分自身だった。
ずっと好きで夢見てきた世界。憧れのメキシコ、ルチャ・リブレ。だけど、もう自分はそこに居られないと思ってしまったら、立ち直ることは出来なかった。今でもこの目に、そして心に焼き付いている。
いま給料が安いとか休みが欲しいとか言いながら仕事をしている自分が、あの頃に分岐した自分だと思うと不思議な気分だ。友達も、恋人も出来た。だけど、自分の夢から逃げ出して歩んでいる人生の、負い目が消えることはきっとない
初めての異国、日々のトレーニング、そして初めての他人との共同生活。僕は日に日に、ココを抜け出す理由ばかりを探していた。そして毎晩、日本に帰ってくる夢ばかり見るようになった。
それが正夢になったのは、入学して僅か3か月ほど経った日の、寒い早朝。
それを正夢にしたのは、自分自身だった。
ずっと好きで夢見てきた世界。憧れのメキシコ、ルチャ・リブレ。だけど、もう自分はそこに居られないと思ってしまったら、立ち直ることは出来なかった。今でもこの目に、そして心に焼き付いている。
いま給料が安いとか休みが欲しいとか言いながら仕事をしている自分が、あの頃に分岐した自分だと思うと不思議な気分だ。友達も、恋人も出来た。だけど、自分の夢から逃げ出して歩んでいる人生の、負い目が消えることはきっとない
青春
公開:19/12/30 23:40
プロレス ルチャ・リブレ メキシコ 青春
ダイナマイト・キッドです!プロレスと映画とラジオと漫画、小説が好きです
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