フシメモリー

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「ゼロ、だと?」
私のフシメモリーを見た閻魔が怪訝な表情を浮かべた。
ここは死後の世界の少し手前。数多く存在する死後の世界から、相応しい行き先を閻魔から受ける場所。
人間は一生のうちに何かと節目を迎えるもの。その節目の大きさにより弾き出される数値がフシメモリーである。
「私の行き先は?」
分厚い資料をぱらぱら捲りながら閻魔がため息をつく。
「お主、どんな一生を送ってきたのだ。ゼロなど極悪人でもおらぬぞ。過去に例がなく行き先が決められん」
「そんな……」
「もう一度やり直せ」
「やり直す?」
「同じ人生を、だ」
そう言われた私の脳裏に、これまでの人生が走馬灯の如く甦る。こうして振り返った事は今までになかった。そして気付く。
「嫌です、面倒臭い!」
そう叫ぶと同時に、閻魔が目を見開いた。
「フシメモリーが跳ね上がった。お主……」閻魔が腑に落ちたと言わんばかりに呟いた。「ただの面倒臭がりだな!」
ファンタジー
公開:19/12/30 22:33
節目

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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