ムーンライト・セレナーデ
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ある真冬の夜のことだ。
風呂上りに体を拭いていると、オナラがしたくなった。
お腹に力を入れようとして、ふと思い留まる。
僕は、両腕を胸の前でクロスさせると、その場でクルクルと回り始めた。
そして、「ムーンライト・セレナーデ!」と必殺技っぽく叫び、回転しながら思い切りオナラを放った。
ぶうぅぅぅぅぅぅ~。
オナラが終わると同時に、回転を止める。
「ふぅ、すっきりし……ぐわああああ!」
あまりの破壊力に僕は悶絶した。今や、オナラは僕の周り360°を完全に包み込んでいる。もはやこの技からは逃れられない。堪らず、僕は窓を全開にした。
「ぐおおおおお!」
真冬である。冷たい風が、濡れた素肌に容赦なく吹きつけた。
意識が遠のいていく。
パトラッシュ……。
いけない! 僕は最後の力を振り絞り、必死で湯舟に飛び込んだ。
「あ、あぶなかった」
もう2度とこの技は使うまい。僕はそう決心した。
はずだった。
風呂上りに体を拭いていると、オナラがしたくなった。
お腹に力を入れようとして、ふと思い留まる。
僕は、両腕を胸の前でクロスさせると、その場でクルクルと回り始めた。
そして、「ムーンライト・セレナーデ!」と必殺技っぽく叫び、回転しながら思い切りオナラを放った。
ぶうぅぅぅぅぅぅ~。
オナラが終わると同時に、回転を止める。
「ふぅ、すっきりし……ぐわああああ!」
あまりの破壊力に僕は悶絶した。今や、オナラは僕の周り360°を完全に包み込んでいる。もはやこの技からは逃れられない。堪らず、僕は窓を全開にした。
「ぐおおおおお!」
真冬である。冷たい風が、濡れた素肌に容赦なく吹きつけた。
意識が遠のいていく。
パトラッシュ……。
いけない! 僕は最後の力を振り絞り、必死で湯舟に飛び込んだ。
「あ、あぶなかった」
もう2度とこの技は使うまい。僕はそう決心した。
はずだった。
その他
公開:19/12/30 22:06
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