ドクターに相談する木下君

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 診察室に青ざめた顔の木下君が入ってきた。
 医師は彼に座るよう促すと厳しい顔つきで腕組んだ。
「どういうわけか話して下さいますね? 当院の受付で尋ねられても症状を話さない、先生に会って直接相談したい、こんなことを仰る患者さんはそうそういません。いったいどのようなご事情ですか?」
「それがその、実は……」
 木下君は俯き、ゆっくりと語り出した。
「最近相次いで僕の周囲の人々が健康問題を口にするんです。糖尿病だとか、通風だとか、偏頭痛とか、胃潰瘍とか、ヘルニアとか、みんな色んな問題を抱えていて……」
「それで?」
「でも先生! 僕は病気になったことがないんです! 花粉症も虫歯もない! 口内炎になったこともありません! インフルエンザにもかかりません! 先生、僕の身体はどこか変なんでしょうか?」
 医師は腕組みを解くと、にっこりして言った。
「はい、帰っていいよ!」
「そんな!」
「次の人!」
その他
公開:19/12/29 16:17
更新:19/12/29 17:48
病院 病気 木下君

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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