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「知ってる?この辺、首無し猫が出るんだって」
合コンで知り合った男が帰り際、そんな話をし始めた。
首無し猫?バカバカしい。そんなものいるわけない。
どうせ、私を部屋に呼び込みたいが為の嘘だろう。どうせつくならもっとましな嘘をつけ。
と、思ったものの「ええ~、怖~い」と全力で可愛い子ぶってみせる。
この男は金持ちのボンボンだ。手離すわけにはいかない。
「あっ!塀の上に首無し猫が!」
ニヤつきながら話す男に私は「キャッ!」と言って抱きついた。これぐらいはサービスしてやろう。あとでサービス料ふんだくってやるけど。
塀の上を見る。本当に猫がいた。その猫には頭がついていなかった。
首無し猫が私達に近寄ってきた。
男は猫に頭がないと見るや腰を抜かし、気絶してしまった。
私は男を置いて、土煙を上げ走り去った。

それを首のない猫は見つめぽつりと呟いた。
『あの女の被っていた猫でもない…我の頭部何処に…』
ホラー
公開:19/12/29 19:10

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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