デスブーメラン

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このままでは四秒後に彼の元にブーメランが戻って来てしまう。
そうなればここら一帯が焦土と化すだろう。
ブーメランには大型爆弾のスイッチが仕掛けられているためだ。
ブーメランを作ろう、というこのイベントに来た人達はその事を知らない。
だから皆笑顔でブーメランを作っては投げている。

一秒が経過した。
ブーメランは弧を描き始めている。
それに対して何も知らない周りの人達は依然として笑顔だ。
私達テロ防止部隊は怯まずに走る。

二秒が経過した。
ブーメランは半弧を描ききり、持ち主の下に戻ろうとしている。
このままでは間に合わない。
そう考えた私は腰のホルスターに手をかける。
それを見た一部の人達がどよめいた。

三秒が経過した。
ブーメランが彼の手に返ってくる直前。
私は麻酔銃の引き金を引いた。
彼は地面に倒れ、ブーメランはその場所を通り過ぎる。
爆弾は……爆発しなかった。
その他
公開:19/12/28 04:59

サァモンチップ

小説の構成の練習はショートショート小説でするのが良い、と聞いたのでチャレンジしてみることにしました。
もし何かおかしな所があれば遠慮なく突っ込んで下さい。
よろしくお願いします。

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