ダイニングメッセージ

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彼と同棲を始めて4年9カ月が経った。
お互い共働きで、家事は上手く分担できている。
今日の朝ごはん担当は私。
ゴミ出し担当も私。
夕ごはん担当は彼。

「ただいま~」
私は家に帰り彼に言った。だが、返事が無い。
ダイニングテーブルにはオムライスが二皿置いてある。
今日の夕ごはんだろう。
ケチャップで何か書いてある。

一つには『血痕』。
もう一つには『死体』。

「え、何これ」
私は思わず年収が低い人のようなポーズを取ってしまった。
「じゃ~ん!」
ソファの陰に隠れていた笑顔の彼が、私の前に現れた。
「何なの、これ。気持ち悪い。やめてよ」
「気持ち悪くないよ。僕の気持ち」
「気持ち悪いよ。趣味が悪い。やめた方が良いよ?」
「よく見て?」
「嫌」
「けっこんしたい」
「え?」
「けっこんしたい」

明日から、私は彼と同姓を始める。
ミステリー・推理
公開:19/12/28 23:29
結婚祭り

undoodnu( カントー地方 )

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