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「久し振りやな」
「叔父さん、いつからいたの?」
「最初からおるわ」
お座敷で食事を楽しむ両親、叔父叔母、従兄弟たち。中には知らない人もいる。葬式というきっかけがなければ勢揃いすることもなかったはず。
いきなり背中をバシッと叩かれた。
「東京行ったきりで全然顔見せんと。頑張っとんのか」
「ええ、まあ」
夢を追って家を出て5年。僕はチャンスの欠片すら掴めないでいた。きっかけを求めていたのは僕だ。こんなことがなければ帰省することもなかった。
あの日、駅まで送ってくれたのは叔父さんだった。叶えられなかった夢の話を車の中で聞かされた。
『やらずに後悔する人生にするなや。俺みたいにな』
不意にあの時の言葉が蘇り、涙が溢れた。
「お前なら大丈夫や。頑張れよ」
頷いた時には叔父さんはもう消えていた。
僕の背中を押すために来てくれたのか。
ありがとう。
もう少しやってみるよ。
後悔しない明日にするために。
「叔父さん、いつからいたの?」
「最初からおるわ」
お座敷で食事を楽しむ両親、叔父叔母、従兄弟たち。中には知らない人もいる。葬式というきっかけがなければ勢揃いすることもなかったはず。
いきなり背中をバシッと叩かれた。
「東京行ったきりで全然顔見せんと。頑張っとんのか」
「ええ、まあ」
夢を追って家を出て5年。僕はチャンスの欠片すら掴めないでいた。きっかけを求めていたのは僕だ。こんなことがなければ帰省することもなかった。
あの日、駅まで送ってくれたのは叔父さんだった。叶えられなかった夢の話を車の中で聞かされた。
『やらずに後悔する人生にするなや。俺みたいにな』
不意にあの時の言葉が蘇り、涙が溢れた。
「お前なら大丈夫や。頑張れよ」
頷いた時には叔父さんはもう消えていた。
僕の背中を押すために来てくれたのか。
ありがとう。
もう少しやってみるよ。
後悔しない明日にするために。
青春
公開:19/12/28 14:00
更新:19/12/31 08:39
更新:19/12/31 08:39
月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。
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