Träumerei③

10
6

失踪事件は10人全員の無事をもって、犯人が見つからないまま幕を閉じた。私も失踪者の一人。
「○○を使えなくしておいたよ。」
誘拐後、それだけ言われて元の生活に戻された。

事件後どこにいたのか事情聴取が始まったが、私は普通にご飯を食べ仕事にも行き、自宅で生活していた。だけど、誰にも気づかれなかった。事実はそれだけ。答えることは何もなかった。

聴取が終わり数日後、森の中に行ってみる。そうしなければいけないと思ったのだ。

何の因果か、そこには元失踪した10名に誘拐した張本人がいた。

円形を組む。男性は女性を守る、女性は男性を裏切らないこと、そう言う誓いを結んだ。

今さらこう言うのも何だが、私は何故誘拐されたのか、使えなくなったのは、そして誓いとは何かを理解していない。

他の9名はそんなことないのに。
私の周りだけ、目的を持った人達の時が流れていく。そこに私はもうすぐ追い付けなくなる。
公開:19/12/26 11:09
更新:20/01/18 21:52
夢の記憶 寝起きでこれだけメモしてた のを手直ししただけ

綿津実

自然と暮らす。
題材は身近なものが多いです。

110.泡顔

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容