バラに込められた意味

　父さんは国で一番偉い人。忙しくってまったく会えない。でも何かあるときはいつも母さんと僕にバラを送ってくれるんだ。
　先月は結婚記念日だったから夜に少しだけ時間をとって、三六五本のバラを手渡ししてた。母さんがいうには、毎日あなたが恋しいって意味で、忙しい父さんにぴったりだ。
　それで父さんは今日、僕と母さんにまたバラをくれた。
　赤に白班のバラとドット柄のバラ。
　僕は綺麗だな魅了されていた。母さんはうつむいていた。
　次の日も父さんはバラを渡しに来た。
　九九九本のバラの花束。
　母さんは泣きわめいている。
　いつも忙しい父さんが、連続で時間をとってまで伝えたいことがあるんだ。それは母さんをこんなにも感動させてしまうほどのこと……。
　僕は母さんの花言葉辞典を借り、絶望した。
　なんで父さんが__。

赤に白班……戦争
ドット柄……しばらくは秘密に
九九九本……生まれ変わっても愛してる