唱怪 サンタの袋

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「お父さんは出かけてくるから。家から一歩も出るなよ!じゃあな」

バタンーーー

駐車した車に戻る。
待たせていた助手席の女がタバコを吸いながらオレに言った。
「クリスマスなのに不味くない?子供達だけ置いて」
「仕方ないだろ。前の女が置いていったんだから。アイツらクリスマスなんかした事ないから知らねーし。そんな事より、オレがクリスマス楽しまないとさ!」
「1人で行ってね」
老人のような男の声で女が返事をした。
「は?」
振り向くと助手席の女は消え、タバコの煙だけ車内に残る。
煙は広がり車内に充満し、丈夫な膜となり、オレを包み込む。
もがく身体が凄いスピードで縮む。
長い髭とトンガリ帽子を被った男のシルエットが見え、オレに言った。

「サンタの袋はね、物が入ってるだけじゃないんだよ。悪い事をした大人にもう一度チャンスをあげるんだよ。愛を知りなさい。メリークリスマス!」

オギャー!オギャー!
ホラー
公開:19/12/25 23:13
更新:19/12/25 23:14
クリスマス ギフト ベリショーズVol.4

さささ ゆゆ( 神奈川 )

最近生業が忙しく、庭の手入れが疎かな庭師の庭でございます。

「これはいかんっ!!」と突然来ては草刈りをガツガツとし、バンバン種を撒きます。

なので庭は、愉快も怖いも不思議もごちゃごちゃ。

でもね、よく読むと同じ花だってわかりますよ。


Twitter:さささ ゆゆ@sa3_yu2





 

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