江戸の猫

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火事と喧嘩は江戸の花という諺があるが、花火と喧嘩は江戸の猫という諺もある。

江戸時代、空前の猫ブームが起こっていた時期があってね。誰も彼もがウチの猫が江戸で一番可愛いと声高らかに叫んだものさ。
そうするとどうなるかって?猫自慢からの喧嘩勃発さ。
そんな事をしても意味ないのに、江戸では己の猫愛を証明するが為の喧嘩をしょっちゅう起こしていた。
それ故に猫奉行という役職もあり、猫に始まった喧嘩は猫で終わらせる事を必要とした。
猫奉行の仕事はただ一つ。猫に貴賎なし。全ての猫はすべからく可愛いと改めて教える事が仕事である。
猫奉行は皆に愛される猫で構成されていた。

花火大会の日にはその大きな音で飼い猫が驚いて外に飛び出してしまう。
その為、江戸中で「タマやー」「タマやー」と声をかけ回ったものだ。
当時は鍵尻尾が珍しくてね。逃げ出した猫が鍵尻尾だとそこら中で「鍵や!」「鍵や!」と大騒ぎしたものだ。
公開:19/12/26 19:09

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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