聖なる夜の白猫さん

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山と煙突だらけの街に、一匹の白猫がいました。
ある冬、街を散歩していた白猫は、あることに気付きました。子供たちの顔に元気がなかったのです。
白猫はハッとしました。この街にはサンタクロースがいません。プレゼントが貰えないのです。
白猫は立ち上がりました。サンタクロースとしてプレゼントを配り歩くことにしたのです。
白猫にとって煙突を駆け上がることは簡単でした。煙突から家の中に入り、寝ている子供たちの枕元にプレゼントを置いていきました。
夜が明け、街は子供たちの笑顔で溢れていました。それと引きかえに、白猫は不法侵入の疑いをかけられていたのです。
それでも捕まることはありません。白猫は煙突の煤によって黒猫になっていたのです。
しかし、これでは翌年からプレゼントを配れそうにありません。そこで黒猫は宅急便を始めました。もう不法侵入をする必要はありません。
これが、のちに有名となる宅急便の始まりでした。
ファンタジー
公開:19/12/25 00:00

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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