夏の終わり

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思い切り振ったバットは虚しく空を切った。僕の三年間は終わる。たった三球、たった三スイング。顔を隠すようにずれたヘルメットを深く被り直して打席から出る。
一生懸命やった結果。フルスイングをすれば清々しい気持ちになると思っていた。あぁ、こんなもんか。感慨なんてありゃしない。それはきっと僕が背番号すら与えられないスタンドの応援要員だったからだろう。どれだけ練習してもスタメンどころかベンチにも入れない。僕は下手だったから。バットにボールは当たらないし、エラーはするし、足も速くないから盗塁も出来ない。そもそも野球のセンスがなかったんだ。
三年生追い出し試合。初めてのスタメン。最後の打席。三球三振。
踏みしめたグラウンドを後にする。ベンチ前に戻り見上げた空は青かった。
肌を焼く日差しが降り注ぐこの場所は暑い。顔に溢れる汗が気になって背番号のないユニホームの袖でぬぐった。何度も何度も。
青春
公開:19/12/24 12:24

ダヴコ

深く考えずにふわーっとした空気感で書きたいです。ログアウトしてはパスワードを忘れる日々。

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