イケメン注意報。玲奈ちゃんカレー屋に行く！

「ねえ玲奈、今からカレー屋さんに行かない？」
「私、辛いの苦手だから、絶対嫌！」
あんまりにも強情に拒絶する玲奈を見て、仲良しの沙耶はこう付け加えてみた。
「でもね、そこのカレー屋さん、すっごい甘々系のイケメン店員さんがいるんだって」
「甘々系？　……でもさ、この前も沙耶に誘われて、イケメンの幽霊期待して心霊スポット行ったけど、出なかったじゃん！」
「心配しなくても大丈夫だから。今度は絶対、ね？　甘々系だよ？」
「甘々……じゃあ、イケメンじゃなかったら沙耶の奢りね？」
渋々了承して、沙耶はカレー屋に玲奈を連れて行った。
予想以上に爽やかな青年が働いていて、玲奈は動揺し、ちょっと湿っぽい声で彼に尋ねた。
「……あの、辛くないカレーってありますか？」
「……可愛くない君の笑顔ってありますか？」
青年はこっそり囁き、ウィンクした。
顔を真っ赤に激辛カレーを食べる玲奈を見て、沙耶は笑いを堪えた。