舌打ちする男の妻が連れてきた見えない猫

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チッ
主人が舌打ちする。
チッ
「(気づいてるなら繰り返すなよ)チッ」
「(それくらい気付けよ)チッ」
「(素直に謝れよ)チッ」
「(謝るなら失敗するなよ)チッ」
「(何とか言えよ)チッ」
「(黙ってろよ)チッ」
イヤァ~~~~~~~~~~(バタン)

チッ

「診断の結果、これはストレス発作ですね」
チッ、チッ、チッ、チッ
「ご主人もストレスの症状が出ています。手遅れにならないうちに、ご夫婦でぜひ精密検査を」
「チッ 俺はいい」
「では、奥様はこちらへ転院を」

チッ

「ストレスは自己ホメオスタシス機能に深催眠暗示でFMバルブをサブルーチンすればたちどころに改善しまぁ~す。なんと一日1万円!」

チッ

一ト月後。妻は見えない何かを連れて帰ってきた。
チッ
ケラケラケラ
チッ
ケラケラケラ
チッ チッ
ケラケラケラ ケラケラケラ
猫か! ああ痒い。ああ痒い。
ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲ
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公開:19/12/25 13:56
更新:19/12/25 19:17

新出既出

星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。

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