永遠に続く贈り物

　その男の悩みは、サンタからのプレゼントが届き続けることだった。

　子供の頃は、両親がプレゼントを置いてくれているのだと思っていた。
　異変に気が付いたのは、大学に進学して一人暮らしを始めた最初のクリスマスだった。枕元には、そこにあるのが当然というように包装された箱が置いてある。中を開けると専門書が入っていた。
　最初は誰かのイタズラだと思った。だがその後もプレゼントは届き続ける。男が社会人になっても終わることはなかった。
　だた箱の中のラインナップは少し変化した。童話集やオルゴール。徐々に子供達が喜びそうな物が届いているような気がした。

　そして今年も目が覚めると、プレゼントが置かれていた。だが今日はクリスマスではなくイブの朝だった。
　慣れた手つきで箱を開封すると中には、赤と白で飾られた帽子と服、それとブーツが入っていた。

　男は全てを理解し、外で待つトナカイ達の元へ向かった。