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「あなたの手、素敵。ずっとこうして指をからめていたい」
ゆきは僕の耳元でささやいた。

「あなたのその発想、とても素敵。どうしたらそんなこと思いつけるのか謎だわ」
りさは僕の首に手を回してささやいた。

「あなたのこの脇腹、ぷにぷにしていてとても触り心地がいいの。ずっとこうしていたい」
ジェニファーが僕にしなだれかかってささやいた。

妻以外に3人の愛人がいる。彼女たちは熱烈な僕の信奉者のはずだった。それぞれに互いのことは話したこともなく存在すらにおわせずにやってきたつもりだった。

それがすべてバレた。

4人の女が目の前にいる。
「お金さえ入ればもうこんな駄目男、要らないわ」
妻のしのぶが冷ややかにつぶやく。

こうして僕は頭と手と胴体をバラバラに持ち帰られることになった。心はどこに帰ればいいのだろう?
ホラー
公開:19/12/22 19:00
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武蔵の国のオオカミ( ここ、ツイッタランド、タイッツー )

武蔵の国の辺境に棲息する“ひとでなし”のオオカミです。

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