『びっくり箱』 魔王軍のミミック

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魔王の力で命を与えられた宝箱、ミミック。
冒険者や勇者が極悪非道にも人様の宝に手を出すのに対して驚かし、時にかみ殺して撃退するのがお役目だ。
そんなミミックの世界も下積みがある。
まず自分で箱を開閉できる『命ある箱』
次に待ち構えて手を出してきた人間を驚かせる『びっくり箱』
これを経て人に食らいつき、時に戦う『人喰い箱』
それが熟練して初めてミミックを名乗れる。

先輩ミミックは後進の育成も仕事だ。
これがある時変な新人がいた。先輩はもうこれは根性なしだと思った。
その新人は「人を驚かすのはいいけど食べるなんてできない!」
と叫ぶのだ。だから
「そんなんじゃいつまで経ってもびっくり箱だぞ!」
と先輩は叱る。それに対して彼は
「なら僕はびっくり箱として生きて行く!」
と言って勇者にこんこんと説明し魔王軍を抜け、
今は人間の遊園地で働いているのだ。
これにはミミックも魔王様も口がぱっくりだ。
ファンタジー
公開:19/12/23 20:16

とーしろさん

はじめまして~。
いつだって初心で、挑戦者のこころでぶっ込みたい素人モノ書きです。

沢山の方々に支えられ、刺激を与えられ、触発されて今日ももちょもちょ書いております。
一人だけでは生み出せないモノがある。
まだ見ぬステキな創造へ、ほんの少しずつでも進んでいきたい。

ショートショートというジャンルに触れる切っ掛けをくださった、
月の音色と大原さやかさんを敬愛し感謝しております。

興味をもって読んでくださる全ての方にも、ありがとうございます~^^

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