クローバーのかけおち

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「窓を開けていただけませんか」
真夜中、ユイは目を覚ました。
人影は見当たらない。
「机の上です!」
三枚のクローバーの葉が立っていた。
「クローバー一家です。私が父親のヴィー。妻のエルと娘のイー。実はもう一人の娘のオーが、かけおちしてしまったんです」
ユイは窓を開けた。
「かけおち?」
「学校の花壇に植えられた新種のクローバーの男と恋におちてしまったのです」
「イケメンだったもの。もう帰ってこないかもね」
「なんてことを言うの、イー!」
葉と葉がぶつかった。
「やめて!」
「私達は四人合わせてLOVE。幸せの四つ葉のクローバーですから」
「私達捨てられちゃうの?三枚だと」
三枚の葉は震え出した。
「三枚でも可愛いわ」
ユイはニコッと笑った。
窓から五枚の葉が入ってきた。
「ただいま。三つ子が生まれたの。時々、一人ずつおもりしてくれると助かるわ」
四つ葉のクローバーの二世帯同居が決まった。
ファンタジー
公開:19/12/23 15:58

文月 楓

ゆるりと作品を創っていきたいと思います。
どの作品にでもコメントいただけると嬉しいです!
よろしくお願いいたします。

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