銀行強盗が来た(コント)

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とある銀行に覆面の男が現れ行員に銃を突きつけた。
「……金を出せ」
「ひっ」
行員は頭が真っ白になって何も言えなかった。
「……早くしろ」
異常に気づいた人々はそそくさと銀行を出ていく。
ところが、そこにとどまる一人の紳士がいた。
「そこのお前! 声が小さい!」
彼はジャケットを脱ぐと、ワイシャツを腕まくりした。
それから鉢巻を頭につけ、覆面男に近づいてくる。
「いいか、声を出す時はもっと腹から出すんだ!」
メガホンを手に持ち、彼は叫んだ。
「さっさと金を出さんか、こらあああ!」
「ぎゃあ!」
行員は驚いて気絶した。
「さぁお前もやれ!」
「いや、あの……」
紳士は銃をひったくると、天井に向けてぶっ放した。
「だから、こうやるんだよ! さっさと出せや、こらああああああ!」
覆面男は銃声に驚き、泡を吹いて倒れてしまった。
紳士はムスッとした顔で銃をカウンターに置くと、銀行を去っていった。
その他
公開:19/12/20 21:17
更新:19/12/20 21:23
銀行強盗 例の紳士

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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