勇者　VS　魔王

勇者と魔王の激戦が繰り広げられる。
魔王はマントを翻すと両腕を大きく開いた。それを見た勇者は硬直し、魔王の魔法をその身に浴び倒れてしまう。
『どうした勇者よ…油断したか？まあいい。これでトドメだ…』
「待て…魔王！最後に一つだけ聞かせろ！」
勇者は虫の息で魔王に尋ねる。
「マントの裏…猫の毛でびっしりだった…お前…どんな猫飼っている？」
魔王は笑みを浮かべ、勇者に手をかざすとその傷を癒し、写真を見せつけた。
『ヒ魔ラヤンだ。無茶苦茶可愛い。世界で一番可愛い』
勇者は懐に手を伸ばした。
「ウチの勇シャム猫だって最高に愛らしいぞ！」
勇者も猫の写真を見せつけた。
勇者と魔王は膝を交え、お互いの飼っている猫について熱く語り始めた。
そして８時間後、勇者と魔王は固い握手を結ぶとお互いの健闘を称え合い、無益な争いを止めた。世界に平和が訪れる。
後に勇者と魔王は語る。

「猫好きに悪い奴はいない」と。