夜の隙間

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夜の隙間に浮かぶ目を閉じた月が、暗澹の道を細い光で照らしていました。

私は、相変わらず、不思議に思っている冴えない事柄を思い浮かべながら、解決策を探っては、潜ってを繰り返していました。

通り過ぎていく建築は、昔の情感をかき消し、以前から、殺風景な有り難みと同化しているかのように、しみじみと佇んでいました。

私は、ただ時間が経ているのに気がつかないふりをして、適応性を求められる音階に、へこへこと頭を下げるばかりでした。

私は、月明かりにこの小さな手のひらがとどかないことを理由に、ただ重ねて、それを眺めました。

藤原が栄えた時代と同じ月が、まるで、私に勇気を授けるかのように、厳かに輝き、微笑むのでした。
その他
公開:19/12/22 00:50

神代博志( グスク )









 

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