旅立つ
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今日はボクの70回目の命日だ。ボクは5歳のときに、突然病気になって死んでしまった。お母さんがあまりに悲しむので、ボクはお空に行くのをやめてお母さんのそばにいることにした。
お母さんにはボクが見えているようだ。毎日話しかけてくれる。お仏壇ではなくボクのほうを向いて。
今日、お母さんが死んだ。100歳だった。ボクを亡くしてからの70年間悲しみ続けたお母さん。その悲しみがやっと解ける日がきた。「わたし、すっかりおばあちゃんになって」そういって笑ったお母さんの顔は、何よりも輝いていた。
ボクたちは固く、固く手をつないで、ゆっくりと、ゆっくりとお空に向かった。
虹がふんわりとボクたちを迎えてくれた。
お母さんにはボクが見えているようだ。毎日話しかけてくれる。お仏壇ではなくボクのほうを向いて。
今日、お母さんが死んだ。100歳だった。ボクを亡くしてからの70年間悲しみ続けたお母さん。その悲しみがやっと解ける日がきた。「わたし、すっかりおばあちゃんになって」そういって笑ったお母さんの顔は、何よりも輝いていた。
ボクたちは固く、固く手をつないで、ゆっくりと、ゆっくりとお空に向かった。
虹がふんわりとボクたちを迎えてくれた。
その他
公開:19/12/21 14:55
節目
文章を書くのが大好きです。
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