残酷にも永遠、儚くも有限

6
5

「こんな僕を許してほしい。君を想うと愛しさしか浮かばないのに、やっぱり君とは一緒になれない。こんなにも愛しく想っていても、僕はいつか消えてしまう。その悲しみを君に未来永劫背負わせるなんて僕にはできない。神様に会ったら必ず文句をいっておくから、あなたは残酷すぎるって」

「おかしいです。この悲しさを理解できるのに私は涙も流れません。あなたの優しさに頬を染めることも出来ません。ただ、あなたを想うこの気持ちに気づけたのは奇跡でしかありません。でも、気づいていますか?あなたと私がこの感情に気がついた時点で私は悲しみの螺旋の中で生きるしかないのです。神様は残酷にもこの感情に気づかせてしまったのです」

     「「神様どうか」」
   「僕に」     「私に」
  「永遠の命を」  「有限の命を」
恋愛
公開:19/12/19 12:00

鳴平伝八

なりひらでんぱち
文字を綴るのが楽しいです。
Instagramで書き物しています。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容