ジャーナリスト真田の難問

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 真田は環境問題のジャーナリストとして、ある製薬会社の思わぬ不正事実の証拠を手にした。
 とある難病の特効薬Xは製造が難しく、環境負荷も大きい。そこで、製薬会社は純度の異なる二種類のXを密かに作り、水増しをしていたのだ。
 もしこの不正を暴けば、製薬会社は正しい純度のXだけを大量供給せねばならなくなる。すると、環境破壊が著しく進み生産が止まる。かと言って、純度の高いXを少数だけ作っても、価格が上がって一部の金持ちしか買えず、供給網が維持できない。そこで医師会は製薬会社に加担し、実際には二種類のXがあることを隠して、症状の軽い患者にも低純度のXを同価格で渡し必要利益を出していた。これは一見社会正義に反するが、不正を暴けば既存のXの供給網が破壊され、薬を買えない人から先に死んでいくはずだ。
 真田は貧しかった。
 俺も娘の治療費がいる。この「秘密」をメディアに売って、いくら儲けられるだろうか?
その他
公開:19/12/18 22:40
ジャーナリスト 製薬会社

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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