扉は逃げる
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今日はコンビニバイトの面接だ。近所で徒歩十五分程。近すぎるかもしれない。でも、近いから辞めずに済むかもしれないとも思う。ご近所の目もあるし。だなんてことを考えていたら、いよいよ約束の面接の時間が近づいてきて、僕は靴をはいて玄関のドアノブを掴む。
いや、掴もうとした。
スカッ。
空振り。ドアが遠ざかる。一歩踏み出してまたノブに手を伸ばす。
スカッ。
間合いを素早く摘めようとすると、ドアも逃げる。負けじと追いかける。全速力で駆ける。ドアも負けじと遠ざかる。このまま家から出られずに不合格になるのか。そんなことがあっていいのか。
僕は走る追いかけるドアをドアノブを面接の合格通知をこの手に掴むため。
しかし、ドアは一向に捕らえられない。
なんてことだ、僕はくやしさに身を震わせながらついに片膝をつく。
「あ、面接ですね」
顔を上げると、我が家のドアノブの手前にコンビニの店長がいた。
いや、掴もうとした。
スカッ。
空振り。ドアが遠ざかる。一歩踏み出してまたノブに手を伸ばす。
スカッ。
間合いを素早く摘めようとすると、ドアも逃げる。負けじと追いかける。全速力で駆ける。ドアも負けじと遠ざかる。このまま家から出られずに不合格になるのか。そんなことがあっていいのか。
僕は走る追いかけるドアをドアノブを面接の合格通知をこの手に掴むため。
しかし、ドアは一向に捕らえられない。
なんてことだ、僕はくやしさに身を震わせながらついに片膝をつく。
「あ、面接ですね」
顔を上げると、我が家のドアノブの手前にコンビニの店長がいた。
ファンタジー
公開:19/12/18 22:14
思いつきを文章にするのが好きです。
怪奇からユーモアまで節操無く書いていきたいです。
少しでも楽しんでいただけますように。
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