奥手なむすめ
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母は綺麗で優しかった。わたしが6歳の頃、なかなか乗ることができなくて泣きべそをかいていたときも
「だいじょうぶ。あなたならきっとできるわよ。なんたって、わたしの娘なんだから。」
と微笑んで頭をなでてくれたのをおぼえている。
そんな母は8歳の時に死んでしまった。以後、祖母がわたしのめんどうをみてくれることになったが、できないままでいた。
そして16歳の誕生日、ついにわたしは乗れるようになった。
「あのこもあんたと同じように奥手でね。なかなかほうきで飛ぶことができなかったんだよ。でも、この偉大なるマリアの血をひく娘だ。できないわけがない。」
そう言って、祖母は笑顔でわたしの頭をなでてくれた。私の家系は400年以上続く魔女の一族。これでやっと一人前にちょっとだけ近づけた気がする。
「め、メリンダ、ついにやったなああ!」
野原の隅に一本だけある大木の陰で見つめる父が大泣きしていた。
「だいじょうぶ。あなたならきっとできるわよ。なんたって、わたしの娘なんだから。」
と微笑んで頭をなでてくれたのをおぼえている。
そんな母は8歳の時に死んでしまった。以後、祖母がわたしのめんどうをみてくれることになったが、できないままでいた。
そして16歳の誕生日、ついにわたしは乗れるようになった。
「あのこもあんたと同じように奥手でね。なかなかほうきで飛ぶことができなかったんだよ。でも、この偉大なるマリアの血をひく娘だ。できないわけがない。」
そう言って、祖母は笑顔でわたしの頭をなでてくれた。私の家系は400年以上続く魔女の一族。これでやっと一人前にちょっとだけ近づけた気がする。
「め、メリンダ、ついにやったなああ!」
野原の隅に一本だけある大木の陰で見つめる父が大泣きしていた。
ファンタジー
公開:19/12/19 07:00
更新:19/12/23 23:57
更新:19/12/23 23:57
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武蔵の国の辺境に棲息する“ひとでなし”のオオカミです。
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