猫と煙

２０１９年。フランスの物理学者が数式を用い、猫が液体か固体かを決定付けた事でイグノーベル賞を受賞した。
「液体はコンテナ内に収まるようにその形状を変更できる。猫は時間をかければ形を容器に合わせられ、時間を与えると液体となることを証明した」
それを聞いて私は待ったをかけた。物質の三体は最後の一つ。まだ気体が残っている。猫は気体である事を私は提唱したい。
何故なら猫は目を離した隙に煙のように消えている。とても不思議な生き物だ。
猫を愛する人は猫吸いと呼ばれる行動に走る。猫は吸えるもの。それは液体である以上、気体にもなれるという事だ。そう考えるとワクワクしてきた。
寒さに身を縮める猫は個体だ。温かさに緩み切った猫は液体と言って差し支えない。その温かさによって抜けた毛。この毛を気体とし、猫としよう。
煙と同じく猫の毛も吸い過ぎると人体に有害なものである。私は来年のイグノーベル賞の為に研究を始めた。