264. 節目カレー

22
16

「母さん、拓弥がまたご飯逆に置いてる‼️」
『どっちでもいいじゃん!』
昨日も二人は喧嘩をしていた。

高三の長女に代わり、先月から高一の長男が夕飯の配膳を手伝ってくれるようになったのだが、ご飯茶碗を左右逆に置くことがしばしばある。私は手伝ってくれるだけで有り難いので文句は言ってないのだが、几帳面な長女にはそれが許せないらしい。
「うちは皆右利きなんだから、ご飯は必ず左なの!」

何とか改善できないものか?
丸い鍋でカレーを煮込みつつそんなこと考えていて、ふと気がついた。そうだ、ご飯を円にしたらいいのかも!
私は炊き上がったご飯をもんじゃ焼きの土手のように丸く皿に盛ると、真ん中にカレーをそっと注いだ。
子供たちはそれを見て、この手があったのかと膝を打った。主人もまた同様に。

ふと仏壇の写真に目をやると、母の目が、いつもより真ん丸になってる気がした。
孫娘の明日の受験も、見守っててね!
その他
公開:19/12/18 18:12
更新:20/04/06 21:37

ことのは もも。( 日本 関東 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

 

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容