ターニング・ポイントの支え

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「これからどうするの?」
キッチンのテーブルで、頭を抱えている私に、アイニーは話しかけてきた。
私はそのままの姿勢で左下に目をやる。
大好きな母が突然亡くなった。やることが山のようにあるけれど、何も手につかない。私はひとりぼっちになってしまった。

「だいじょうぶだよね?」
今日は随分優しい声だ。
何度もまばたきをして、慰めてくれているようだ。
「どうしていいかわかんないんだ」と答えるが、いつものように何も助言してくれない。
私を見あげる大きなこげ茶の瞳が、母の笑顔を思い出す。
思わずこぼれた涙がアイニーに触れると、スッと私の左膝から消えてしまった。

私の「節目」は人生の区切りに、束の間現れる。
さっきまでパックリとあいた大きな目があった左膝をなでてみる。
ほんのりとした暖かさに、安心感を感じる。
なんとか乗り越えられそうだ、と薄い三日月が残っている西の空を眺めた。
ミステリー・推理
公開:19/12/18 08:05
節目 ターニング・ポイント

まくの沙江

自分なりのショートショートができればいいと、投稿させてもらっています。
皆様の作品やコメントは、新しいアイディアが生まれて勉強になります!

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