猫と煙

女怪盗・キャッツから予告状が届いた。
奴は今夜１２時にこの美術館に収められている巨大ダイヤを頂戴すると大胆にも宣言した。
泥棒猫め…いつもしてやられる我々ではないぞ！
今回は警察官百人態勢！警備員も百人雇った！この警備の中、巨大ダイヤを盗み出せると思うなよ！
「警部！」
何だ！？
「巨大ダイヤが煙のように消えました！キャッツに盗まれた模様！」
何だと！？何故だ！？
「キャッツは警察官か警備員に変装しています。この大人数の中、探すのは不可能です！」
くそぅ！作戦が仇になってしまった！

「申し訳ありません！」
巨大ダイヤを盗まれた事に私は責任をもって頭を下げた。
しかし美術館オーナーは怒るどころか喜んでくれた。何故だ？
「本物のキャッツカードがショーケースの中にあるのですよ。巨大ダイヤなんかより、こっちのほうが貴重です。むしろ盗まれてありがとうと言いたいです」
それはそれでなんか悔しい。