節目コイン

新年号に造られたコインが神社の賽銭箱に投げ込まれた。
底へ辿り着いた時、中の古コイン達が集まって来た。
「君が新年号のコインか、輝いているね」と羨ましそうに言った。古コインが「君がこの箱に入れられたのは、神様に願いを叶えて下さい。と説得する仕事を果たす為だよ」と教えたので、新コインはギョッとした。

夜が来て、箱の中の皆は眠ったけど新コインは一睡も出来ません、朝になり箱の中に外の清々しい空気が流れて来たので、全員起きその流れで顔を洗いました。
「今日は神様の所へ行くよ」と隣の古コインが教えた。投げ入れられた順番に神様に会って願い事を伝えています。新コインは、自分に誰が何の願いをしたか思い出せないまま、順番が来ました。

神様の前に行くと「新コインか」と神様が言ったので、ハイと小さく答えました。長い沈黙の後「お前の願った仕事を叶えてあげる」と声がかかりました。
神様は見通していたのです。