ふしぎなクレープ屋さん

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学校に、クレープ屋さんが来たんだって。そんなうわさを聞いた。

クレープを食べたくなったわたしは、じゅ業中にこっそり教室をぬけだした。

やっとクレープ屋さんの車を見つけたけれど、なぜだかクレープは売っていないみたい。

中をのぞくと、店員さんは、きょ大なクレープ生地の上に、生クリームをたっぷりとしぼっている。

店員さんはわたしに気づくと、手まねきをして、その大きなクレープの上にねころんでみてと言った。

おかしいなと思ったけれど、あまいにおいにつられて、わたしはそこにねころんだ。

クレープはあったかくて、生クリームはふわふわで、とってもいい気持ち!

すると店員さんは、わたしをクレープごとくるくるっとまいた。まるで、おふとんにくるまれているみたい!

そのとき、まどの外から、きょ大な目玉がぎょろりとのぞき、店員さんはえがおでこう言った。

「こどもクレープ、お待たせいたしました〜!」
ホラー
公開:19/12/16 09:59
更新:19/12/16 10:09

滝沢朱音

小説を書いています。SF(すこしふしぎ)系や、生と死を見つめた作品が多いです。
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