古い戯曲的なもの
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傷ついた老兵が舞台の上手に現れ、光が当てられる。
老兵:
恐ろしや、あな、恐ろしや
東の空が白けてきおった
夜気に濡れた草葉が、蜘蛛の巣が、目覚めの光に縁取られていくぞ
舞台全体が照らされる。
老兵は中央に移動する。
そこに少年が横たわっている。
老兵:
ライオスよ
誰もが無知のもとに生まれてくる
目覚める前は瞼を閉じ、呼吸をするのがせいぜい
されど、光はお前を導くじゃろう
見よ。朝の光に鞭打たれ、夜の軍勢が引き揚げていくぞ
おお、お前はまだ夢のはざま
老兵は少年の頭を愛しそうに撫でる。
老兵:
恐ろしいか、ライオスよ
じゃが、幻はもうお前にはいらぬ
夢のぬくもりは冷たくなっていくばかり
岩間を伝うせせらぎが
羊歯の陰を走る鼠の足音が
蒼鷺の羽根が風を切る音が
塔門の開く軋みが
お前の耳に忍び寄る……
演奏が始まる。
鐘の音に驚き、老兵は舞台を去る。
少年は静かに身を起こす。
老兵:
恐ろしや、あな、恐ろしや
東の空が白けてきおった
夜気に濡れた草葉が、蜘蛛の巣が、目覚めの光に縁取られていくぞ
舞台全体が照らされる。
老兵は中央に移動する。
そこに少年が横たわっている。
老兵:
ライオスよ
誰もが無知のもとに生まれてくる
目覚める前は瞼を閉じ、呼吸をするのがせいぜい
されど、光はお前を導くじゃろう
見よ。朝の光に鞭打たれ、夜の軍勢が引き揚げていくぞ
おお、お前はまだ夢のはざま
老兵は少年の頭を愛しそうに撫でる。
老兵:
恐ろしいか、ライオスよ
じゃが、幻はもうお前にはいらぬ
夢のぬくもりは冷たくなっていくばかり
岩間を伝うせせらぎが
羊歯の陰を走る鼠の足音が
蒼鷺の羽根が風を切る音が
塔門の開く軋みが
お前の耳に忍び寄る……
演奏が始まる。
鐘の音に驚き、老兵は舞台を去る。
少年は静かに身を起こす。
ファンタジー
公開:19/12/16 09:42
老兵
少年
戯曲
最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。
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