薬飲み忘れデート

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このままでは一時間後には嘔吐してしまう。それも彼女の目の前で。しかも今は街中デート中だから、衆目も加わる。さらに言えば今は昼間だから、それはもう沢山の人々に見られることだろう。それは絶対に避けなければならない……のだが、そうも言ってられない。実は今朝薬を飲み忘れてしまったのだ。そのため先程からずっと吐き気がしている。
二十分が経過した。
「ねえ、今日はこれくらいにして……」
「何言ってるの? まだ昼よ?」
「そ、そうだね……」
彼女は鼻歌を歌いながら楽しそうに歩いている。
四十分が経過した。
吐き気はどんどん強まっている。
「ねえ、やっぱり今日は……」
「もう、さっきから何なの? そんなに私といるのが嫌なの?」
「そ、そういう訳じゃ……」
彼女の気を悪くしてしまった……。
六十分が経過した。
胃酸が喉までせり上がってきているのを感じる。もう耐えられそうにない!
「ごめん!」
「えっ?」
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公開:19/12/17 10:00
更新:19/12/17 07:52

サァモンチップ

小説の構成の練習はショートショート小説でするのが良い、と聞いたのでチャレンジしてみることにしました。
もし何かおかしな所があれば遠慮なく突っ込んで下さい。
よろしくお願いします。

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