雨のせい
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天気が悪い日は体調が悪い。
「頭が痛くて」
「雨のせいね」
職場の先輩が言った。
「肩が重くて」
「雨のせいだ」
同僚も言った。
「怠いんですけど」
「雨のせいですね」
病院でも頭痛用の痛み止めを貰って終わった。
「あーあ。なんか体質改善の漢方でも飲んだ方がいいのかな」
独り言を言いながら、病院のトイレで手を洗っていると、鏡に見慣れないものが映っているのが見えた。
どんよりと雨雲のようで、ぶよぶよとした何かが、おぶさっている。
耳元でサーサーと音がする。
ひどく重くて冷たい。
雨の精、だ。
こんなものに乗っかられているのだから、体調も悪くなるわけだ。
みんな見えてるなら、もっとハッキリ教えてくれればいいのに。そしたら病院なんかじゃなくてお祓いにでも行った。病院代、勿体ない。
「あーあ」
天気と同じ晴れない気持ちで、ビルのトイレの小さな窓から空を見上げた。
「頭が痛くて」
「雨のせいね」
職場の先輩が言った。
「肩が重くて」
「雨のせいだ」
同僚も言った。
「怠いんですけど」
「雨のせいですね」
病院でも頭痛用の痛み止めを貰って終わった。
「あーあ。なんか体質改善の漢方でも飲んだ方がいいのかな」
独り言を言いながら、病院のトイレで手を洗っていると、鏡に見慣れないものが映っているのが見えた。
どんよりと雨雲のようで、ぶよぶよとした何かが、おぶさっている。
耳元でサーサーと音がする。
ひどく重くて冷たい。
雨の精、だ。
こんなものに乗っかられているのだから、体調も悪くなるわけだ。
みんな見えてるなら、もっとハッキリ教えてくれればいいのに。そしたら病院なんかじゃなくてお祓いにでも行った。病院代、勿体ない。
「あーあ」
天気と同じ晴れない気持ちで、ビルのトイレの小さな窓から空を見上げた。
ファンタジー
公開:19/12/17 07:30
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