カウントダウン
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やったぜ。ある日俺は“カウントダウン”能力を手に入れた。俺が注目したあらゆるものには、カウントダウンの数字が見えるのだ。電池の残量はもちろん、満員電車で最初に空く席、長持ちするテレビ、すべてお見通しである。俺の生活は全く便利になった。
「24」
ところがある日、ふと空を見上げると数字がぼんやりと見えた。
「23」
1時間後にそれは一つ減った。血の気が引いていく。ニュースで隣国との軍事的な緊張が盛んに報じられていたのだ。今すぐに国外へ脱出することに決めた。
こういう時にも俺の能力は役に立つ。最短経路で地球の裏側行きの飛行機にとび乗った。アディオス!
「9」「8」・・・
しかしカウントダウンは止まらない。
「3」
数字は赤くなった。
「2」
目を閉じても浮かんでくる。
「1」
ああ、世界の終わりだろうか。
「0」
その瞬間、世界は終わらず、俺のカウントダウン能力だけが失われた。
「24」
ところがある日、ふと空を見上げると数字がぼんやりと見えた。
「23」
1時間後にそれは一つ減った。血の気が引いていく。ニュースで隣国との軍事的な緊張が盛んに報じられていたのだ。今すぐに国外へ脱出することに決めた。
こういう時にも俺の能力は役に立つ。最短経路で地球の裏側行きの飛行機にとび乗った。アディオス!
「9」「8」・・・
しかしカウントダウンは止まらない。
「3」
数字は赤くなった。
「2」
目を閉じても浮かんでくる。
「1」
ああ、世界の終わりだろうか。
「0」
その瞬間、世界は終わらず、俺のカウントダウン能力だけが失われた。
ホラー
公開:19/10/08 21:31
400文字に収めるのに四苦八苦していますが、いろいろなジャンルにチャレンジしたいです。
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