しゅわしゅわ

今日はヤケ酒だ！飲まなきゃやってられねぇ！
いつも以上に酒を飲む俺に女将は「どうしたの？今日はえらく荒れているじゃない」と聞いてきた。丁度いい。聞いてくれ。
俺はな、自分で言うのもなんだが天才詐欺師だ。そんな俺がよ…詐欺に遭っちまったんだ。
相手は恰幅のいい金持ちの親父だった。俺の言うことに一喜一憂して簡単に契約書へサインをした。俺は心の中でバカな男だと嘲笑ったよ。
でもよ…いざ銀行行ってその金を引き出そうとすると、機械からしゅわしゅわと泡が出てきたんだ。
あの狸親父…あぶく銭を俺に掴ませやがったんだ！おかげでATMは泡だらけ、俺は銀行から出禁を食らい、警察も呼ばれた。
最悪の１日だ！今日のことは酒飲んで忘れるぞ！女将、もう一本！

翌朝。目覚めると俺は空き地で寝ころんでいた。
傍らには俺の財布。中は札や小銭やカードの代わりに葉っぱと小石が詰め込まれていた。
あの女狐！俺を騙しやがったな！