節目の日

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あなたと出会った日が、私の節目の日、と彼に言った。
「ふうん」
彼はそう言うだけで、それ以上は何も言わない。
「あなたにとって、節目の日は一つも無いの」
私がそう訊くと、彼は言った。
「あるにはあるけど」
「どんな日」
「こんな、他愛ない一日かな。だって、君がいつ死なないとも限らないでしょ。だからね……」
彼はそう言いながら、私を抱きしめた。
「節目の日じゃなくても、今言っておきたいんだ」
彼は深呼吸する。
「愛してる。だから、お願いだから、僕より先に死なないで」
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公開:19/10/06 07:10
更新:19/10/06 07:12

ふじのん

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