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彼女は家具屋の商品を見て伏し目がちに言った。
「この竹、たけー」
「ああ、確かに高いね。高度も、値段も」

二日後、再び、屋上で会った彼女は目を輝かせてこんなことを言っていた。
「このお弁当、うめぇー。お前が作ったの?」
「はは、そうだよ」(本当はコンビニ弁当を詰め替えただけだけど、バレてないからいいしょ)

その日、帰宅部の私は授業の後、すぐ家に帰り、母さんに言った
「ねぇ~、ご飯、まだー」
「ちょっと、まっとけ」

それから一年が経った。母さんは醤油を買いに行くと言ったきり未だに帰って来ない。
「海外まで買いに行っているのかなぁ。まさか、最高の醤油を作るために一から大豆の栽培をしていたりして、まさかね」

それから数年が経った頃、失踪中の母から突然、葉書が届いた。裏返して見るとこんな言葉が書かれていた。
「しょうゆーこと」
私はハァ~とため息をつき「そーすかっ」と落胆した。
公開:19/10/05 22:36
更新:19/10/08 22:27

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