ガラス玉

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舌の上に、あなたの甘い言葉が広がって、次第に目の玉は誇張していく。

口の中でとろけるはずのガラス色のあめ玉が、まだ、舌の上で転がっている。

嫉妬や恨みが無念にも目の前に広がる前に、朽ち果ててしまった惨たらしい姿の私は想像しがたい・・・

左手には包丁を持ち、右手には、あなたを引き留めるための手段が残されていた。

だけど、もう、死神が私を迎えに来た。
はるばる遠くの国からお迎えが来るなんて・・・

私の顔の上に、白い布がしかれる・・・
幸せだから、目の前が真っ白なのかな、幸せだから、真っ黒に見えるのかな・・・そんな想像、妄想も出来ないまま・・・

ようやく、あめ玉が溶けたみたい・・・
舌の上には、情事ではなく、不気味な笑いが染みついて離れない。
その他
公開:19/10/05 21:55

神代博志( グスク )









 

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