夜郎ども（夜人間）

夜郎どもがやって来て、街頭でスピーチを始めた。
「光に騙されてはいけない。」
けれども、誰も足を止めて奴らの話に耳を傾けようとはしなかった。
「光はまやかしだ。光はあなた方を幻惑し、真実から目を逸らさせるための陰謀なのだ。」
夜郎どもが叫べば叫ぶほど、人々は奴らから距離を取り、避けるようにして歩いた。
「なにあれ、気持ち悪い。」
母親たちは目をひそめて噂した。
「頭おかしいんじゃないの。」
父親たちは薄ら笑いを浮かべ無視した。
「夜空を見上げてみて欲しい。光は無限の闇に浮かんだチリに過ぎない。それが真の世界の姿なのだ。近すぎる太陽がその真実を、我々から覆い隠しているのだ。」
　それを聞いた子供たちは
「そうかもしれない。」
と、思った。