しゅわしゅわ

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親の勧めでお見合いをすることになった僕。目の前には僕には勿体ないぐらいの美人が座っている。
こんな美人に何を聞けばいいんだ?趣味?好きなもの?仕事?ああダメだ!そんなつまらないことを聞いてしまえば、僕はつまらない男と思われてしまう。でも何か話さなきゃ…このまま黙っていたら僕はつまらない上に嫌われてしまう。でも何も思いつかない。どうすればいいんだ!?
彼女が僕を見て笑った。えっ?僕、何かした?
「無口な方と思っていたんですけど、すごくおしゃべりなんですね」
そう言って彼女は僕の手を指さした。
「さっきから手話でずっと私に質問を投げかけていますよ?」
しまった!仕事の癖が出てしまった!
「目は口程に物を言うと言いますが、貴方の場合手が口程に物を言いますね」
そんな風に言われたことを今でもはっきり覚えている。
あれから十数年経った今でも、僕は言葉に詰まると「手話手話」と妻となった君に注意される。
公開:19/10/05 18:33

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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