変紳願望
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終電の発車した駅。女が階段に座り、泣いていた。ひとりの男が近寄る。
「どうしました?」
隣に腰かけた男を見やる女。背広姿の初老の紳士だ。女はこぼした。
「彼氏に…フラれたんです…」
「そうですか…。お嬢さん、ここは私に任せて」
「…えっ?」
「今の怒り、悲しみ、そういった感情を私に預けて頂きたい…。要は、フラれた彼氏だと思って、私をビンタして頂きたいーー」
「…えっ?」
立ち上がった紳士を見て女は仰天した。上半身は背広姿だが、下半身は白ブリーフ一丁だった。
「私は変態紳士。ビンタでお嬢さんの気持ちは晴れる。私の頬は腫れる。しかし、こちらにとってむしろそれは悦び…。どうでしょう?ウィンウィンの関ーー」
女の悲鳴と同時にビンタがとんだ。
逃げ去る女を見ながら、男は呟く。
「ありがとうーー」
おもむろにポケットから取り出した白ブリーフを目深に被り、男は路地裏へと消えた。
「どうしました?」
隣に腰かけた男を見やる女。背広姿の初老の紳士だ。女はこぼした。
「彼氏に…フラれたんです…」
「そうですか…。お嬢さん、ここは私に任せて」
「…えっ?」
「今の怒り、悲しみ、そういった感情を私に預けて頂きたい…。要は、フラれた彼氏だと思って、私をビンタして頂きたいーー」
「…えっ?」
立ち上がった紳士を見て女は仰天した。上半身は背広姿だが、下半身は白ブリーフ一丁だった。
「私は変態紳士。ビンタでお嬢さんの気持ちは晴れる。私の頬は腫れる。しかし、こちらにとってむしろそれは悦び…。どうでしょう?ウィンウィンの関ーー」
女の悲鳴と同時にビンタがとんだ。
逃げ去る女を見ながら、男は呟く。
「ありがとうーー」
おもむろにポケットから取り出した白ブリーフを目深に被り、男は路地裏へと消えた。
その他
公開:19/10/03 22:35
更新:19/10/03 22:36
更新:19/10/03 22:36
私、Twitter上で
変態紳士の異名が…。
それでこういうことに…。
久しぶりの投稿これでええんか?
30代後半になりTwitterを開設し、ふとしたきっかけで54字の物語を書き始め、このたびこちらにもお邪魔させて頂きました。
長い話は不得手です。400字で他愛もない小噺を時々書いていければなぁと思っております。よろしくお願いします。
Twitterのほうでは54字の物語を毎日アップしております。もろもろのくだらない呟きとともに…。
https://twitter.com/makihide00
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