ある島にて、決闘

「ニャ次郎よ、一撃で決めるのじゃ。それしかお主に勝ち目はない。相手のふところに入り、確実に当てることしかない。」

「はい、お師匠様。心して掛かりまする。」

そして、ニャ次郎はひたすら待って待って待ち続けた。約束の刻限はとっくに過ぎている。太陽が高く輝いている。波の音が単調に響き、かもめがのんびりと空を舞っている。

やがて一艘の小舟が沖に見えてきた。舳先(へさき)に立つのははちまきをしてたすき掛けの強者(つわもの)。悠然とした態度の偉丈夫が目を閉じて海風を感じている。

「遅かりし、ニャ蔵(にゃさし)！ 時を違えたか！ 武士(もののふ)の風上にも置けぬ奴！ いざ、尋常に勝負せよ！」

「勝負あったな、ニャ次郎。」

ニャ蔵は物干し竿のような木刀をニャ次郎の頭目掛けて振り下ろした。

「猫ぱーんち！」

ニャ次郎もニャ蔵の胸元に飛び込み必殺技を繰り出す。

しかし、マンチカンには……