しゅわしゅわ

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僕の爺ちゃんはバンドを組んでいる。
その名も「炭酸BOYS」。若者に負けじと炭酸の泡のように弾けるロックバンドだ。
今日も爺ちゃんはマイクを持ってライブに向かう。ライブ会場は銭湯だ。
今日も爺ちゃんは叫ぶ。流暢な英語は海外のロックスターも思わず唸る。
今日も爺ちゃんは飛び込む。人波ではなく湯船に。そして番台さんに怒られる。
爺ちゃんは皆の人気者。何度もライブハウスから誘いが来る。でも爺ちゃんはそれを全部断っている。

「銭湯には湯がある。しかしライブハウスには湯がない。儂らはな。湯がないとしわしわになってしまうんじゃ。ここには湯があるからしゅわしゅわと弾けられる。これが儂らの若々しさの秘訣じゃ」

何と強引な理論だ。でも僕はそんな爺ちゃんを応援する。
今日も銭湯の壁に描かれた富士山をバックに「これが儂らのフジロックフェスじゃ!」と大騒ぎ。
ただ、一つだけ残念なのは女性ファンがいないことだ。
公開:19/09/29 18:14

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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