眼差し違えて
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ミタラ ミテ太は、今日も見ていた。
ふと目を向けると必ず、こちらを見ているのだ。またか、と驚いていると、これもまた必ず、彼の方からすっと視線を外す。
同じクラスになってもう半年が経っていた。気のせいかな、とは何回も思った。でも、こう続くと偶然とも言えないだろう。友達に相談した。
「ミタラ ミテ太ねえ。気にしたことねえけど、ていうかお前、自意識過剰じゃね」
かもしれない。そう思うと恥ずかしく、だから私は皮肉にも、過剰なほどに意識して彼の方を見ないよう過ごした。
卒業しても、その感覚は抜けなかった。いない人を見ないようにする。当たり前だが、失敗するわけなかった。なのに昨日のこと。信号待ちをしていて反対側を…。
ミタラ ミテ太!
そこにいたのは、私自身だった。彼からは、いつもこう見えていたんだな、と思って目を逸らしたのは、いったい誰だ。
私はいま、彼の眼差しが恋しくてならない。
ふと目を向けると必ず、こちらを見ているのだ。またか、と驚いていると、これもまた必ず、彼の方からすっと視線を外す。
同じクラスになってもう半年が経っていた。気のせいかな、とは何回も思った。でも、こう続くと偶然とも言えないだろう。友達に相談した。
「ミタラ ミテ太ねえ。気にしたことねえけど、ていうかお前、自意識過剰じゃね」
かもしれない。そう思うと恥ずかしく、だから私は皮肉にも、過剰なほどに意識して彼の方を見ないよう過ごした。
卒業しても、その感覚は抜けなかった。いない人を見ないようにする。当たり前だが、失敗するわけなかった。なのに昨日のこと。信号待ちをしていて反対側を…。
ミタラ ミテ太!
そこにいたのは、私自身だった。彼からは、いつもこう見えていたんだな、と思って目を逸らしたのは、いったい誰だ。
私はいま、彼の眼差しが恋しくてならない。
青春
公開:19/09/29 01:09
400字って面白いですね。もっと上手く詰め込めるよう、日々精進しております。
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