芸は身を助く

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今、一部ではあるが学歴や資格に拘らず、一芸に特化した人材を採用する企業がある。
その一芸特化で採用されたのが俺である。俺は大学時代、サンバ部に入っていた。リオのカーニバルで有名なサンバだ。
そんな俺は今、営業でサンバの経験を生かしている。
上司が俺に期待の眼差しを向ける。俺は深呼吸を一つすると、インターフォンを押した。
軽快なサンバのリズムが流れる。それに合わせて俺はブラジリアンサンバを披露した。
情熱的に!煽情的に!
『ブラボー!』
インターフォンから声が聞こえ、扉が開く。
この家のインターフォンには「御用の方はチャイムを押し、サンバのリズムでダンスを披露してください」と書かれてある。
故にこの家は難攻不落の城として有名だった。しかし今日ついに俺がその扉を開いてやった!
ここは変わり者が集まる町。一代で社長になった者が多い町。
変わり者には変わり者を。一芸持ってなきゃ突破できない壁だ。
公開:19/09/26 18:58

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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