ジュピター

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理科の授業中、タカユキは居眠りをしていた。
だから担任の先生に刺されたとき、なんの質問をされているのか分からなかった。
クラス中でクスクスという忍び笑いが聞こえてくる。タカユキは恥ずかしさで体中が焼けるように熱かった。
一番許せないのは、すぐ前に座るナカニシだ。太った体を横に向け、意味ありげにニヤニヤしたかと思うと少し腰を浮かした。
異臭だ。ドサクサに紛れてこきやがった。タカユキが立たされて、反撃できない隙を狙ったのだ。
ナカニシはニヤニヤし、さらに腰を浮かそうとした。二度目だ。攻撃を許すまじと、タカユキは黒板を見た。そこには太陽系の絵が描いてあり、先生の指は5番目の星を指していた。
答えが分かった。タカユキは、ナカニシを睨みつけながら言った。
「もー、くせえ!」
「はい、正解。木星です」
青春
公開:19/09/28 08:05

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